化学的性質 1.鉄は工業分野で欠かせない金属です。鉄と少量の炭素でできた合金鋼で、磁化が失われにくく、優れた硬磁性材料であるだけでなく、重要な工業材料でもあり、人工磁石の主原料でもあります。鉄には多くの同素体があります。 2、鉄はより活性な金属で、金属活性順位表では水素の前にあり、化学的性質はより活性で、優れた還元剤です。鉄は空気中では燃えませんが、酸素中では強く燃えます。 3、鉄は可変原子価元素で、0価は還元性のみ、+6価は酸化性のみ、+2、+3価は還元性と酸化性の両方を持ちます。置換反応では、一般的に+2価ですが、鉄と濃硝酸の反応のように、+3価のものもいくつかあります。常温では、鉄は乾燥空気中の酸素、硫黄、塩素などの非金属元素と反応しにくいですが、不純物があると湿気の多い空気中で錆びやすくなります。湿った空気中では、酸、塩基、塩溶液が存在すると錆びが早くなります。高温では、酸素中で鉄が燃えて Fe3O4 になるなど、激しい反応が起こります。赤熱した鉄と水蒸気の反応でも Fe3O4 が生成されます。加熱すると、ハロゲン、硫黄、ケイ素、炭素、リンなどと結合します。+2 価および +3 価の酸化物が形成されるほか、複合酸化物 Fe3O4 (磁性酸化物) も形成されます。4、鉄は希薄無機酸に溶け、2 価鉄塩を形成し、水素を放出します。常温で濃硫酸または濃硝酸に浸すと、表面に酸化物保護膜が形成され、鉄が「不動態化」するため、鉄製品に冷濃硫酸または冷濃硝酸を浸すことができます。加熱すると、鉄は濃硫酸または濃硝酸と反応して +3 価の鉄塩を形成し、同時に SO2 または NO2 を形成します。